【三浦社長のふどうさんコラム】第37回 国税庁がタワーマンションの節税封じ

6月30日に、国税庁が相続税の算定ルールの変更を発表した。一番影響を受けるのは、タワーマンションだ。変更されれば、マンションの相続税評価額は、実勢価格の6割位になり、相続税の大幅な上昇になる。早ければ、来年から施行される。

二子玉川だと、ライズタワーとプラウドタワーが該当する。

なぜ、タワーマンションが影響を受けるかというと、従来の相続税評価額の計算の目安として土地は路線価格、建物は固定資産税の評価額で計算していた。だいたい、時価の50%位になる。ところが、タワーマンションの場合土地の持分が非常に少ないため時価との差が著しくでる。特にここ10年くらいは時価が著しく値上りした。そのためより一層に従来の相続税評価額との乖離が大きくなってしまった。例えば、ライズタワーの場合だと時価と従来の相続税評価額との乖離率は5倍以上になる。因みにタワーマンション以外のマンションや一戸建てはここまでの差は出ない。国税庁は、税の公平性が著しく損なわれるためというが、はたしてそうか。

きっかけは、令和4年に最高裁ででた判決だ。従来の路線価による計算が否認された。しかし、この事例は、あまりにも相続税逃れの目的が顕著であった事例であり、これをもって従来の計算方法を全て否認するというのはいかがなものか。全ての人が相続税を逃れるためにタワーマンションを購入するわけではない。むしろごく一部だ。終の棲家として購入したタワーマンションに多額の相続税をかけられて遺族がそこに住めなくなってしまう事もありうる。そもそも、日本の相続税率は世界で一番高い。最高税率は55%だ。世界には相続税が無い国もある。2015年に基礎控除が40%も減額されて相続税を負担する人が大幅に増えた。アメリカの基礎控除は約13億だが日本の基礎控除は3600万(最低)だ。ここでさらに不動産の算定方法が変更されれば、さらなる増税になる。これは、ほんとうに公平といえるのか、はなはだ疑問だ。

では、このことがタワーマンションの価格に影響するのか。少なからず影響はある。特に高額の部屋は影響が大きいと思う。だが、全体で考えると、影響は少ないと思う。時価の60%に評価がなっても、現金などの金融資産よりは節税効果は高いのだから。

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