News Letter -2023年8月(西田)-

先日、久しぶりに新大久保に行ってきました。韓国人である学生時代の友人が日本に来たので、『せっかく日本に来たんだから、何が食べたい?』と聞いたら、“新大久保でサムギョプサル”という意外な回答。『そんなの自国で食えばいいのに』というと、“韓国は焼肉の本場ではあるけど、正直、食べるなら日本の方がうまい”と、本音か建前かわからぬ答えが返ってきました。その後、本当に新大久保に行き、うまそうに肉をほうばり、大ジョッキのスーパードライを口にしながら、“やっぱ日本のがいいなぁ”とつぶやく我が友。喜んでくれたならよかったのですが、ふとタイムリーな質問をしてみたくなりました。

 いろいろ書く前に彼について話をすると、20年以上前にカナダの大学で出会い、多国籍の人が集まる講義の自由弁論で、思いっきり日本批判をしたなかなかの強者。グループ討論では、その主張の強さから日本人の女の子を泣かせてしまったこともあり、ちょっと浮いた存在となっていたので、一度呼び出して一緒に飲みながら彼の主張や意見を聞いてやったら妙に懐かれてしまいました。その後彼は空気を読む姿勢を身に着け、みんなの中でも浮くこともなくなって仲間の一員として卒業し、サムスンの関連会社に入った男です。

そんな根本に反日思想を抱えた男が、アサヒビールを飲みながら自国のサムギョプサルより日本の方が良いと絶賛していたら、友人関係でもタブーとされる日韓関係についてもつい聞きたくなっちゃいました。

『尹錫悦大統領になって韓国で日本ブームみたいな報道を見かけるけど、実際はどうなの?』

 韓国の左派の代表のような彼の事、“今の作られた日本ブームなんかに乗っているヤツらはアホだ”とでも言ってくるかと思ったら、

彼曰く“今の韓国人は、日本批判ばかりしていた前政権の文在寅さん、前々政権の朴槿恵さんが韓国に何をもたらしたかを考え、‘世界の中の韓国’という視点を持とうとしている。日本ブームというよりは、世界の中の韓国という視点において日本との関係が重要だということ。ただ、今40代以上の人たちの中では、依然反日思想がこびりついていて、そういう人たちが国の重要なポジションにいるから、変わろうにもなかなか前には進めない。尹大統領の支持率が低めに報道されているが、それは左派の人たちばかりに意見を求めているからで、実際の数字ではない。政策全てじゃないけど尹大統領の外交の成果はみんな認めてるよ。”

 驚いた…。日本を褒めるでも貶すでもなく、非常にスマートな回答。反日思想の典型であった彼のような人が、自身の思想以上に国と国との関係を重視するような考え方になっており、さらに、若い世代は第二次大戦前の出来事などは歴史上の出来事でしかなく、今の自分たちとは別の世界、と捉えているようなのです。

私たち日本の40代以上の世代は、今までの政権が変われば国策まで変わる韓国の度重なるちゃぶ台返しの経験から、『まだわからない』という心が根底にあり、若い世代のメディアでの日韓交流や、韓国に憧れを持つ若い人たちをやや奇異な目で見がちな部分がありますが、日韓関係は本当の意味で新しい時代に入ったのかもしれません。21世紀生まれの子供たちはすでに20歳を超え、もう自分たちの道や価値観を自分たちで決めることができます。その世代の人たちが、日韓両国で互いに友好関係を築こうとしているのであれば、10年後20年後には、世界が羨む隣国関係が築けているかもしれませんね。

西田
西田

隣国関係が友好的であるのに越したことはないですから、
新しい時代の人たちが築こうとしているなら応援しなければなりませんね。

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