【三浦社長のふどうさんコラム】第34回 不動産投資のリスク 繰返される違反建築

先日、札幌で建築中のNTT都市開発の26階建ての高層ビルで違反建築が発覚した。
大成建設が施工中の工事で、施工不良が見つかり、15階まで進んでいた工事が取り壊しになり、建直すことになった。
しかも発覚されたきっかけが、施主のNTT都市開発の検査で分かった。
鉄骨の接合に本来使用されるべきボルトが使われていなかったことが分かり、鉄骨の水平度のズレ、さらに調べると床スラブと天井のコンクリートの厚さが不足していた。大成建設によると、数ミリのズレなら問題ないと判断したという。背景に工期の遅れを出したくないという判断があった。
しかし、このことによって工期は2年以上遅れることになった。

大成建設といえば、日本を代表するスーパーゼネコンである。東京オリンピックのメインスタジアムも施工した。しかし、今回の事件で、信頼は揺らいだ。

いったいなぜこのような事が繰り返されるのだろうか。
今回のケースも、施主検査で判明しなければ見過ごされていた可能性が高い。そう考えると恐ろしい。

見過ごされて完成してからでは、隠蔽された部分の検査は難しい。 当然なことだが、建物は、土地の上に建物が建っている。したがって、その両方を判断しなければならない。いくら堅固な建物でもその下の土地が軟弱では意味がない。建物を判断する目安として、どこの建築会社が建築したかは重要だ。
しかし大手だから安心とは限らないという事だ。そこの建築会社の過去の施工履歴とかを調べて施工ミスなどが頻繁に繰り替えされている会社は要注意だ。設計と施工、検査が同じ会社で行われている場合も要注意だ。すべて同じだと検査がなれ合いになりやすい。設計と施工が別で設計した会社が設計通りに建物が建築されてるかを検査するのが望ましい(設計監理)。分譲マンションとか大規模なビルではありえないが、木造住宅などで完了検査を受けていない建物は言語同断だ。

ただ、注意するのは、完了検査を受けてから違反建築をしていないか、完了検査を受けた図面と現物が相違ないかも確認する必要がある。

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