皆様、お世話になっております。
すまい倶楽部㈱の小林です。梅雨がやってきました。
自転車通勤の私にとっては一年で最も天気が気にかかる季節です。
暑さも寒さも我慢しますが、雨が降ったらお手上げです。
せっかくお手入れした自転車にも乗れず、たびたび寂しい気持ちになっています。
さて今月は、社内での出来事を書かせていただきます。
■本の話
村上さんが、文庫本を貸してくれました。
ミステリー小説です。
私は普段ミステリーを読まないので、喜んでお借りしたのですが、村上さんが妙なことを言うのです。
「本屋さんですごくお勧めされてたから、買って読んだけど、ぜんぜん面白くなかったんだ。
だから、読んで君の感想を聞かせてよ。」と。
一般的に、人に本を貸すときは、自分が面白いと思ったものを勧めると思うのですが、
皆様はいかがでしょうか。
少なくとも、私はそうです。
さらに村上さんは、「ラストの落ちも、予想通りだったから驚かなかったし。」と、
マイナス情報を付け加えてきます。
ここまで言われて、私はその本をいったいどんなモチベーションで読んだらいいのでしょうか。
「面白い本は貸してくれないんですか。」と尋ねると、
「面白い本も持ってるけど、この本の感想が聞きたいの。」と言って、
一向に聞いてくれませんでした。
それでも、と読み始めると、非常にクセが強い情景描写と、少し時代がかった文体(40年も前に書かれた小説です。)に、なかなかの苦戦を強いられました。
何とか読み終わった上での、正直な感想としては、
「たぶんもう二度と読まないけれど、村上さんが言うほど悪くないな。」と思いました。
でも、できたら面白い本を貸してほしいです。
■蚊の話
村上さんとお話をしていた時のことです。
村上さんが急に「蚊さんだ!」と大きな声を出しました。
村上さんには、「蚊」に「さん付け」をするという独自の流儀を持っているのですが、それはいつものことなので、ここで深くは掘り下げません。
とにかく、蚊(割とおおきい)が周囲を飛び回っている、という事実に、我々は警戒を強めました。
「蚊さん」が腕や足、背中にとまっている隙を見計らって、手で叩こうとするものの、異常なまでの素早さに、ことごとく失敗しました。
ついにはその姿を見失い、とうとう逃がしてしまったか、と思ったそのとき、私の視線が「蚊さん」を捉えました。
村上さんのおでこの真ん中に。
私は神経を集中し、「村上さん、動かないでください。」と注意を促します。
一瞬で状況を察知した村上さんが、覚悟を決めた表情をしました。
私は、思い切りよく「ペチン。」と叩きました。
6歳年上の先輩のおでこを。
しかも、あろうことか蚊を逃がしてしまうという失態。
村上さん、叩かれ損。
さらに、おでこを見事に刺されていたようで、少し赤く腫れていました。
惨敗です。
しかしその後、村上さんがあっさりと「蚊さん」を仕留め、自らリベンジを果たすという形で事態は収束しました。
それから1時間ほど経ったころでしょうか、村上さんがやけにご機嫌な表情で近づいてきて、私にひと言、「塗ったんだ。」と言います。
「何をですか?」と尋ねると、
満面の笑みで「ムヒ」と答えました。
意味はよく分からなかったですが「ムヒ」が言いたかったらしいです。
今月は以上です。では、また来月。