News Letter -2023年10月(西田)-

最近、外国資本の企業による日本の土地の買収が問題になってますね。国も、海外資本による土地の買収が全国で相次いでいることを受け、2021年6月に「重要土地等調査法」を制定しました。しかし、この法律は、調査や規制を講じるもので、売買自体を規制するものではなく、対象となる土地も防衛関係施設の周辺や離島などに限られているようです。

そんな法律はどこ吹く風。今年1月末には34歳の中国人女性が沖縄県の「屋那覇島(やなはじま)」を購入したことが話題になりましたし、6月頃には、およそ700ヘクタールにも及ぶ山林が宮崎県都城市で買収されたニュース(取引自体は昨年の話だったようですが)がありました。それ以外にも、瀬戸内海の島が買収されたりと、中国人による日本の土地買収の勢いは衰えるところを知りません。

勿論、外資が入ってくることは悪いことばかりではありません。かつて北海道ニセコ町は、スキー場として有名ではありましたが、経営上は苦戦を強いられておりました。そんな中、外資の受け入れを始め、高級リゾートホテルが続々とオープンし、今や世界的なスノーリゾートへと変貌を遂げました。

問題はここにあります。ニセコは豊富な降雪量とパウダースノーがあり、やり方一つで魅力溢れるリゾートへと変われるだけのポテンシャルはもともと持っていたのです。日本のリゾート地は魅力に溢れ、外国資本がお金を出して開発すれば、ドル箱になり得るところがたくさんあります。外国人がそのポテンシャルに気づき始めて日本の土地の買収に着手しているにもかかわらず、当の日本人はそのポテンシャルを生かすすべを持っていない。もしかしたら、その魅力に気がついていないと言った方が良いかもしれません。

茨城県は日本の魅力度ランキングで最下位に選ばれることの多い県ですが、日本三大庭園の偕楽園があり、美しいネモフィラで有名なひたち海浜公園があり、日本三名瀑に数えられることもある袋田の滝があり…見所に溢れています。グルメにしても、大洗のアンコウは絶品ですし、鉾田産のメロンのとろけるような甘さは表現できない程の味わいがあります。メロンは高級フルーツの代表のような果物ですが、茨城県はメロンの生産量が日本一なんですよ。

魅力度ランキングの低い茨城県だって、パッと思い浮かぶだけでもこれだけの魅力があり、他にも知られていない魅力がまだまだ詰まっているはずです。日本には47都道府県があり、それぞれが誇れる魅力を持っています。この素晴らしい国の魅力を外資に取られ、自国の魅力を堪能するために外国にお金を払うなんて、あまりにもバカバカしすぎます。ニセコの例でも分かるように、外資が別に金の力で気候まで変えた訳ではないのです。要はその町の持つ魅力に対し、どのようにインフラを整備し、どのように世の中へアピールするか、ただそれだけの話なのです。

また、自国の土地を外国人に買収され続けることは、日本の安全保障上の観点からも決して良いことではありません。移民が多いカナダは、今年6月に、外国企業、外国人による土地買収は原則禁止という規制が施行されました。日本の約26倍もの国土を持つ国でさえ、自国の土地に外資の浸透の危険を感じたら、すぐ政府や議会が対応し、法を整備したのです。独立国家として当たり前の危機管理体制が出来ている、ということですね。 冒頭700ヘクタールもの買収があった宮崎県都城市の山林は、実は県が定める水源地域保全条例の対象地域だそうです。自治体は今後を注視すると言ってますが、いざ不当な開発が始まった時に、それを止める力があるのでしょうか?自国の領土の水を飲むのに外国にお金を払うなんてまっぴらです。こういう事態の発生を未然に防ぐ意味でも、国益を重視しながら、外国人による過剰な不動産買収には取引規制をかけるべきではないでしょうか。

西田
西田

海外旅行もいいですけど、円安な今こそ国内に目を向けて、もう一度日本の魅力を再発見してみては如何でしょうか。

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