【三浦社長のふどうさんコラム】第27回 おとり広告

最近、回転すしの最大手であるスシローがおとり広告でマスコミを賑わしている。
新物!濃厚うに包み(1貫110円)、冬の味覚、!豪華かにづくし(4貫858円)。
今回は、生ビール!半額の広告。
実際にお店に行くとほとんど売り切れ、または、最初から無い、というありさま。

これっておとり広告ですよね。不動産業界では、考えられません。
というのは、不動産業界の広告表示は、私の知る限り、日本で一番厳しい。

例えば、最高、特選、厳選、完ぺき、格安、などの表現は禁止されています。
最高かどうかは人によって感じ方が違うので、そのような恣意的な表現は、判断を惑わすため禁止されています。
デパートなどでよく見かける二重価格の表示、1000円を線で消してその上に500円と表示する。
これもアウトです。
その表示内容を裏付ける論理的な根拠がある場合を除き使用を禁止されています。
まして、ないものを広告するのもダメです。
すでに決まった物件を広告し続けるのもおとり広告になります。
その他あまり小さな文字も禁止されています。
原則として7ポイント(約2.5mm四方の大きさ)以上としています。
80mを1分とし表示する、端数は切上げなので、81mだと2分と表示します。1分10秒はダメです。

2部屋以上居室がある部屋では、DKは6帖以上、LDKは10帖以上ないと違反になります。
規制は、表現内容の他、広告上、最低限度掲載しなければならない項目も決められています。
よく、電柱などに貼ってある広告を街で見かけますが、情報が乏しくよくわかりません。
多分、それが狙いだと思いますが、そもそも、このような広告は、軽犯罪法、道路法、屋外広告物法に違反しています。

このような違反な広告をする会社は、業務においても平気で約束を反故しますので、信用しない方がいいです。

不動産には、格安物件や掘り出し物件はありません。あっても、それは、一般の方は買えません。うまい話には絶対に裏があります。
もし、不動産会社が違反すると、2年以下の懲役または300万円以下の罰金などの罰則があり、場合によっては業務停止、免許取消処分になります。

なぜ、こんなに厳しいのでしょうか。それは、過去にそういう事が多かったためです。
昔、業界に入った時(37年前)に先輩から聞いた話ですが、そのころ日本で最大手の不動産開発会社が別荘地を分譲していた時に、水道が通っていないところに水道管を建てて、見えないところから水を送って水道があるように見せかけた、バス停を運んできて置いた、石を投げて分譲地を案内した、とか今では信じられない事が平気で行われていた。

これって映画になりますよね。いわゆる原野商法です。霊感商法と紙一重ですよね。
こんなことをさせないために、それを規制する法律ができたわけです。
つまり不動産業を規制する法律は性悪説に基づきます。

われわれの業務は、宅建業法をはじめ、様々な法令で雁字搦めにされています。

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