7月1日、国税庁から日本全国33万6000箇所の路線価が発表になった。
2年ぶりに全国平均で0.5%の上昇だ。東京は、平均1.1%の上昇だ。
二子玉川で一番路線価が高いのが三菱UFJ銀行の前だ。令和4年度の価格は、坪1018万円。
昨年が坪1005万円。1年で1.3%の上昇だ。
ただ、令和2年は坪1031万円だから3年間でみると下落している。住宅地に関しては、ほぼ横ばいだ。
ところで、この路線価とは何か?簡単にいうと土地の相続や贈与をする時に基準とする価格だ。
土地の価格として基準となる価格は、
この他に公示価格、基準地価、固定資産税評価額、不動産鑑定評価額、時価がある。
つまり、一つの土地に6つの価格があるわけだ。通常、経済学では、一つのものには一つの価格が原則だ。
では、なぜ、このような事が起こるのか?
それは、時価を除いて、それぞれの主体と目的か異なるからだ。
公示価格や基準地価は、行政が土地を収用する時の基準として使う。
固定資産税評価額は、市町村が固定資産税や都市計画税を課税する時の基準として使う。
その他に取得税、登録免許税の指標にもなる。
また、建物に関しては、相続税の指標にもなる。
不動産鑑定評価額は、主に、競売の価格の指標として使用される。
路線価は、調査地点が最も多く、毎年、発表されるので、興味深い。
国税庁のホームページで誰でも見ることができるので、一度ご覧になるといい。
ただ、同じ道路に面していても、土地の形や大きさ、間口、道路状況等によって価格が異なる。
それぞれに計算式がある。計算式にない要素もある。
たとえば、隣にゴミ屋敷があれば価格は大幅に減額される。
面白いのは、路線価と時価の関係だ。田舎へ行くと、路線価と時価がほぼ同じ価格のところが多い。
場合によっては、逆転している。
ところが、大都市ではそうはいかない。
路線価は、通常、公示価格の80%と言われている。
公示価格は時価に近い時も多い。
最近、弊社の近くの土地が坪600万円で売買された。そこの路線価は、坪200万円だ。3倍の開きがある。
では、同じ路線価の土地が坪600万円で売れるのか?
坪300万円でも売れない場合がある。
土地のか価格は複雑だ。