【三浦社長のふどうさんコラム】第17回 コロナ禍におけるマンションの騒音問題 part3

今回は、ハードの面から騒音問題をお話しします。

まず、壁の話。隣の住戸との壁を戸境壁(こざかいかべ)といいます。

壁を叩いてみてコンクリートの鈍い低い音がすれば、コンクリートの戸境壁にクロスを直接貼っています。

これが一番遮音性の高い工法と言われています。

ただ、コンクリートの厚さまでは分かりません。

では、どうすればいいか。

壁を直接叩いてもある程度は分かりますが、正確には、図面(雑詳細図)で確認します。

昔は、150ミリが普通でしたが、今では180から200ミリが理想とされています。

これに対して二重壁工法と言って間柱を立て、石膏ボードを下地にして壁を造る方法があります。

ただ、この方法だとコンクリートと石膏ボードのすき間で音が反響し遮音性が落ちます。

戸境壁には適しません。

似て非なるもので、GL工法という壁があります。

この工法は最悪で音が筒抜けになります。

ただ、外壁と接する壁は、音漏れの心配はないので、GL工法を使うのは問題ありません。

タワーマンションの戸境壁はコンクリートではできていません。

乾式壁といって、いくつかの工法はありますが、基本的の素材は石膏ボードです。

吸音材として一般的に使用されるのは、グラスウールが多い。

では、遮音性は問題ないのでしょうか。

一般的には厚さ200ミリのコンクリートの壁と同等の遮音性があるといわれています。

しかし、私の住んでいるタワ―マンションでは、掃除機を壁にぶつける音とかがたまに聞こえます。

でも、コンクリートの壁でも壁に何かをぶつければ音はします。

つまり、乾式壁だから遮音性が悪いというのではなく、音の性質によって防げない音はあるという事です。

また、自重と耐震性の問題からタワーマンションの戸境壁は、乾式壁が採用されています。

戸境壁に対して部屋の中の壁を仕切り壁と言います。

図面をよく見るとPS(パイプスペース)という表示があります。

この場所には、自分の配管だけでなく、上下階の排水竪管が通っています。

上の人の排水の音が聞こえることがあります。

もし、PSに寝室が隣接していれば、流水の音で寝られないという事になりかねません。

そこで、PSを囲む壁にどのような遮音対策がされているかを確認します。

遮音シートや石膏ボードの二重貼りなど、設計図書の仕様書などで確認します。

また、エレベーターに接する部屋の壁の仕様なども確認します。

では、次回は、床(スラブ)のお話を中心にしたいと思います。

 

 

 

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