前回、専任(専属)媒介契約だと販売活動を1社しか行わないので売れるまで時間がかかりその結果、価格も安くなってしまうのではないか?というお話をさせていただきました。
1社としか売却の依頼の契約をしないと、その1社しか販売活動をしないのでなかなか売れない、だから複数の業者に依頼した方がいい(一般)、と一般の方は思いますが、専任(専属)媒介契約の場合、その情報を7日(ないし5日)営業日以内に同業他社へ公開しなければならない、という決まりがあります。公開するとどういう事になるか?日本全国の不動産会社とそこに従事している営業マンにその情報が行き渡るという事です。全国の不動産会社の数は約12万5000社です。東京都内だけで2万4000社以上です。因みに都内にある大手コンビニの数は約7000店舗、全国でも5万6000店です。つまり1社に依頼するだけで、全国の12万5000社に依頼することになります。これに対して一般媒介ですと情報の公開が義務づけられていないので、もし、一般で依頼を受けた業社が情報を公開しなければ、10社に依頼してもその10社しか販売活動をしないという事になります。結果は歴然としています。
ただ、注意を要するのは、専任で受けた業者が必ず情報を適正に公開するとは限らないという事です。どういうことか?さすがに以前のような専任なのに情報を公開しないという業者は少なくなりましたが、それに近い行為は横行しています。具体的には、図面を登録しない、請求しても送ってこない、いつも担当が留守、案内をさせない、など。悪質なのは一旦登録して登録証明書を発行しすぐに登録を消す、などの行為。売主はどうすればこのような不正をチェックできるのでしょう?アメリカでは当たり前ですが、日本でもようやくチェック機能ができました。それは、売主自らが自分の物件の掲載状況を確認できるようなシステムができました。それは、レインズに登録した発行証明書とパスワードを依頼した不動産業者から取得し、自分で確認できるようになったことです。
専任で依頼した不動産業者が適正に情報を公開し活動すれば、早く、高く、売れるという事です。重要なのは、依頼する業者がそういう業者かどうかを見極めることです。大手だからきちんとやるだろう、と思っていませんか?大手だからお客さんをたくさん持っているだろう、と思っていませんか?会社だけでなく、担当もよく見極めることが重要です。
次回は、ほんとうに大手だから早く、高く売れるの?というお話をしたいと思います。
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