みなさん、こんにちは! 賃貸管理事業部の佐藤です。
今回は、「80m=徒歩1分」ということについて考えてみます。
みなさんがよくご覧になる不動産の広告に「駅から徒歩●●分」という表記があります。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、不動産広告では「徒歩による所要時間は、道路距離80mにつき1分間を要するものとして表示すること」と決められています。
なお、「1分未満の端数が生じた場合は1分として計算すること」となっていますので、例えば400mでは「徒歩5分」ですが、401mでは「徒歩6分」という表記になります。
駅や商業施設など生活に欠かせない場所への距離は、お部屋を探す上で重要な要素の一つだと思います。
実際インターネットで「駅まで5分以内」などにチェックを入れてお部屋を探されたことのある方も多いのではないでしょうか?
しかし、その広告の「徒歩●●分」をそのまま信じてお部屋を比較してよいのでしょうか?
結論から申し上げますと、それだけで比較することはオススメできません。
例えば、ある何棟か建物がある団地を考えてみましょう。
敷地が広い団地ですと、端と端ではけっこうな距離があります。
この場合、駅からこの団地までの徒歩距離は、どの建物かに関係なく団地の中で駅に「最も近い地点」を起算点として広告表記できてしまいます。
また、例えば1階と5階では当然所要時間は変わってきますよね。
街中で言えば、信号待ちにかかる時間や歩道橋を上り下りする時間、坂道なども考慮されません。
したがって、実際歩いてみたら「予想以上に時間がかかった」ということはよくあることです。
ところで、この「80m=徒歩1分」という基準はどのようにして決まったのでしょうか?
実は「ヒールを履いた女性が歩くスピード」が基準となったようです。
1960年代にある役所に勤めていた一人の女性にヒールを履いて歩いてもらったところ、このスピードだったということです。
その基準が半世紀以上経った現在でも不動産広告に使われているのは何とも興味深いところです。
広告の中には、その物件をよりよく見せようとするためにムリヤリ「徒歩●●分」を縮めて表記していると思われるものがあります。
以前、どう考えても「直線距離」でしょ!!とツッコミたくなるような広告を見たことがあります。
「80m=徒歩1分」は「直線距離」ではなくあくまで「実際に歩く道のり」になります。
先述したように「信号待ちだらけ」とか「坂道だらけ」とかであっても考慮されませんので、気になるお部屋が見つかったらまずは実際に歩いていただくことをオススメします!!
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
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