皆さま、電子書籍は体験されたことはおありですか? 実は僕、否定派でした。
「やっぱり紙をめくる感覚を味わってこその読書だ」
「データがいつ消えるかわからない、長期保存を考えると結局は紙がいちばん安心できる」
「そもそも液晶でなんて読む気が起きない」
……もともと読書好きである人ほど、こういう思いは強いかもしれません。僕もそうでした。ですが、一度iPhoneアプリ版を使ってみたら、これが意外なまでに快適だったのです。
■スキマ時間に読みやすい!
常に携帯しているスマホに本が入っているというのは、やはり便利です。いままではカバンに本を放り込んでいましたが、カバンを持ってこなかったときには本が読めない、というのが実情でした。スマホに入っていれば、思いがけず発生した1~5分のスキマ時間にささっと取り出して数ページを読み進めることができます。
これは「読書をしない」層にとっても画期的なことかもしれません。スマホを取り出してFacebookやニュースサイトをぼんやり眺めるかわりに、同じ感覚で新書や小説を読み進めることができるのですから。本とは「ある水準以上の質の情報がパッケージングされている」ということに意味があるものです。いくばくかのお金がかかるとはいえ、漫然とネットサーフィンをしているよりはよほど密度の濃い情報を得られます。
■好きな本を好きなときに読める!
持ってきた本が気分に合わない……。重たい歴史小説じゃなくてライトなエッセイを持ってくればよかった……。そういうタイミングって結構ありますよね。Kindleなら数百冊は
平然と持ち歩けますから、気分に合わせて読む本をとっかえひっかえできます。
よくよく思い返してみれば、iPodが初めて出てきたときにも「1000曲も持ち歩いても聴く時間ないよ」という意見が出ていましたよね。でも、iPodの価値とは、「自分の音楽ライブラリーをすべて持ち運べる」というところにあったわけです。Kindleもこれと同じ。ライブラリーを持ち歩けるから、気分にぴったり合った作品にすぐアクセスできるわけです。
■保管場所に困らない!
本好きになればなるほど、浮上してくるのが保管場所の問題。読書好きなら一ヶ月に10~20冊を新規購入するのはまあよくある数字だと思うのですが、こうするとあっという間に本棚は溢れ、部屋の隅に本のタワーが林立し、住居は埋め尽くされてしまいます(実話)。となれば買う量をセーブしたり読まなかった本は処分したりするしかないのですが、こうすることで新しい出会いは減っていってしまいます。
本はたくさん買い、たくさん読むというのがいちばんです。ちなみに「どこでも本が買えて、すぐに読み始めることができる」というのもKindleの魅力です。ちょっとヒマができたらKindleストアをつらつらと眺め、「ちょっと面白そうだな」「読んでみたいな」と思った瞬間に買える。買った瞬間に読み始めて、あとはスキマ時間を見つけてちょこちょこと読み進めていく。
――これは、『読書』という習慣をがらりと様変わりさせてしまう感覚です。
紙の本は廃れることはないでしょうが、新しく現れた「電子書籍」という選択肢を、一度試してみてはいかがでしょうか?