【三浦社長のふどうさんコラム】第45回 高く売りに出せば高く売れるのか?

先日、弊社に売却の相談にこられたお客様との話です。二組来られて相談を受けました。マンションと戸建てです。

マンションを売却されたいというお客様は、弊社のデイスプレイに展示してあるライズタワーイーストの最上階で成約したパネルをご覧になり、こんなに高く売れるのなら私も売りたいというご希望です。

マンションは全く違うマションです。

弊社の査定は坪600万円で1億3800万円。お客様は納得がいかず、他の不動産会社に査定依頼し、市場に出てきた価格が坪1000万円で2億3000万円。正直、驚いた。業界でも話題になっている。当然、売れていない。

もう一つは、中古住宅。弊社の査定が1億1000万円。これも同じく市場に1億3900万円で売り出された。これも業界で話題になっている。当然、売れていない。

物件の査定方法には大きく分けて3種類ある。取引事例比較法、原価法、収益還元法の3つだ。

マンションは、主に取引事例比較法を用いることが多い。

由は、同じマンション内での売買事例が豊富なのと、類似したマンションが多いためである。

オーナ―チェンジのマンションは、収益還元法も併用する。売出し方法は、売主の希望価格、売出価格、成約価格の3つがある。

中古住宅の査定方法は、原価法を用いることが多い。金融機関の査定方法は原価法が主だ。

これは、中古住宅を土地と建物に分解し、建物は、もし、同じ建物を建築した場合いくらで建築できるかを計算する。つまり再調達価額を算出するわけだ。

そこから経過年数を差引し(減価償却分)残存価値を出すわけだ。その出た価格に土地の価格を足して査定価格を出す。

土地価格は取引事例比較法から算出する。先ほどの弊社の査定価格は、この方法で査定した。

他社の査定価格だとこの方法で査定した場合、土地の坪単価が坪475万円になる。土地だけの売買だとせいぜい坪300万円位の土地だ。

しかし、不思議なのはこの方法で査定した価格では、どう見ても土地の価格が割高につく中古住宅が成約していることだ。

自分で土地を購入して建てた方がもっと安く建つのに新築価格よりもはるかに高い価格で成約している事例をよく見る。なぜだろう?

おそらく買手はマンションと比較して床当たりの単価で比較しているのかもしれない。冷静に考えれば、どう考えても高い買い物になる。

また、木造住宅は、築30年を経過した場合、建物としての流通価値はゼロになる。金融機関も同じ考えだ。つまり築30年後には土地だけの価格になる。したがって土地として価格が下がらない土地を購入すべきである。

話を戻そう。売主の希望価格(相場よりも遥かに高い価格)で売りに出した場合どうなるか。当然売れない。

相場がどんどん値上りしている市場であれば、売出している間に価格が追い付いてくる場合もあるが、逆の場合は最悪だ。

売れないので少しずつ下げざるおえない。買主は、もっと下がると思う、そうすると何か問題がある物件かもしれないと警戒する。

結局、本来、売れたであろう価格よりも低い価格で成約する。

安く売る必要もないが、はじめから適正価格で売りに出せばもっと早く、高く売れた事例をいくつも経験した。

もし、ほんとうにその価格で売れる、お客がいる、と不動産会社がいうのであれば、専任契約をしないで1週間くらい試すといい。そうすれば、それがほんとうかウソか判断がつく。

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