News Letter -2023年9月(西田)-

以前ここでもご紹介したことがありました“NISA(少額投資非課税制度)”が、2024年から新たな制度として生まれ変わります。今回はどのように改正されるのかを少し解説してみたいと思います。

 “そもそもNISAってなんやねん?”

そうですね、資産運用に全く興味がなければ馴染みがないですよね。NISAとは、“Nippon Individual Savings Account”の頭文字を取ったもので、ざっくり言えば、証券会社や銀行などの金融機関でNISA口座を開設して、株式や投資信託などを購入すると、配当金や売買益等にかかる税金約20%が非課税になる、というものです。そして、2024年からはその制度を改正しますよ、ってことです。

 改正の目玉は二つ。まず一つ目は、これまでつみたてNISAは20年、一般NISAは5年と、非課税期間には制限がありましたが、2024年以降に新しいNISAで購入した商品についてはずっと非課税で運用し続けることができるようになったことです。また、これまでは“制度の延長”という表現だったので、いつか終わってしまうもの、という捉え方をされがちでしたが、新規に投資できる期間についても恒久化されることが決まりました。つまり、いつから始めても毎年非課税枠を利用することができる、ということです。

 そして2つ目は何と言っても投資額の大幅拡大です。従来は年間投資限度額が一般NISAは120万円、つみたてNISAは40万円でしたが、新NISAでは年間投資限度額が、一般NISAのコンセプトを引き継ぐ成長投資枠で240万円、つみたてNISAの後釜となるつみたて投資枠では120万円となります。旧NISAと異なり、“成長投資枠”“つみたて投資枠”の両方を利用できるようになったので、年間投資可能額は最大360万円と大幅に拡大されました。投資上限額は、“生涯投資枠”なるものを設定し、その額は最大1800万円となるようです。

 “んじゃ、今までのNISAで投資した分はどうなるの?”

注意したいのはそこです。2023年までに現行NISAで投資した分は、新しいNISAの生涯投資枠である1800万円とは別枠で非課税枠をそのまま利用できますので、慌てて現行のNISA口座で保有する商品を売る必要はないのですが、2024年からスタートする新しいNISA制度は、新旧分離、つまり2023年までのNISAとは別のものという立場になります。つまり、新NISAに資産を移管(ロールオーバーといいます。)することはできません。つみたてNISAにはもともとロールオーバーという概念がありませんから、非課税期間20年が経過したところで、保有する投信はそのときの「時価」で課税口座に移管されます。一般NISAについても2023年末に非課税期間5年が終了するものから、非課税期間が終了すると自動的に課税口座に時価で払い出される(または売却)ことになります。この場合、移管された株式や投信の取得価格は移管されたときの価格となります。課税口座に移管後、受け取る譲渡益や配当金は課税の対象です。

 その他にも、投資対象や投資枠の注意点などいろいろあるのですが、とても書ききれそうにありません。しかし、今回の制度改正はうまく使えば、ただお金を銀行に預けて眠らせているよりも全然良い、有用なものと言えると思います。興味がある方がいらしたら、お気軽に私に会いにいらしてください。

西田
西田

政府は「資産所得倍増プラン」なんて言ってますけど、
なんとかして国民の資産であるタンス預金を引き出したいみたいですね(笑)

コメント

タイトルとURLをコピーしました