先日、新聞紙上でも報道されたが、日本の総人口が12年連続減少し、1年間で55万6000人減少した。55万人というと鳥取県の人口とほぼ同じだ。
日本人に限定すると、75万人の減少で、16年連続だ。外国人の流入で人口減少が多少緩和されている。このままいくと、37年後の2060年には30%以上減少し、8674万人になる予想だ。100年後には、5000万人になるという。著名な外国の投資家は、もっと悲観的で、このままだと将来、日本は消滅するという。
では、ほんとうにそうなったら不動産の価格はどうなるのか。もちろんそうなつたら不動産価格は下がらざるを得ない。場所によっては、無価値になる。
ところで、よく、空き家の問題が話題になる。直近(2018年)の全国の空き家率は13.6%、848万9000戸である。そもそも1968年にはすでに住宅の総ストック数は世帯数を上回った。半世紀以上前に数だけでいうと住宅は余っていたわけだ。そのころの空き家率は4%前後だった。ただ、その後も一貫して新築住宅は建築され、2022年度も85万戸以上新築された。分譲マンションだけで10万戸以上建築された。そして不動産の価格も上昇していった。
ただ、全ての不動産価格が上昇したわけではない。また、同じ上昇率でも格差がある。人口が減少し、住宅のストックが増加し、空き家率が上昇していっても新規に購入する人は存在し、売れている。なぜだろう。確かに量的には住宅は余っている。ただ、質でいうとまだ需要を満足させる住宅は足りないのではないか。人間の欲望は膨張する。より質の高い住宅を求める人がまだいる。それに応えられる不動産は売れるという事だ。逆を言えばそうでないものは、売れず、価格も下がるという事だ。
先日、港区の三田1丁目、旧逓信省の跡地で三田ガーデンヒルズの新規分譲がはじまった。総戸数1002戸。広さは29平米のスタジオタイプから500平米のタイプがある。全5棟から構成され、14階建ての建物。ソフトの部分は、帝国ホテルとの提携によるコンセルジュサービスが提供される。平均坪単価1300万円。29平米で1億以上の価格になる。最も広いタイプは坪4000万円を超えるという。60億以上の価格だ。第一期販売は400戸、平均4億の価格で即日完売したという。つまり、不動産の価格は今後、二極化していくということだ。
日本に誰も住む人がいなくなれば別だが、それは、非現実的な想定だ。
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