建物を建築する場合、様々な法律をクリアしなければ建築できません。
代表的なのが建築基準法と都市計画法です。
ところが、これらは、最低限度の基準で、他にもクリアしなければならないハードルがいくつもあり、代表的なのが建築協定です。
建築協定とは、地域住民が街の景観とか文化を守るために自ら設けた協定です。
協定の作成には、地域住民と借地権者全員の賛成が必要です。廃止する場合は、過半数の賛成で廃止できます。
建築協定の中で代表的なのが敷地に関するものです。近隣ですと田園調布にある建築協定が有名です。
具体的には、最低敷地面積は165㎡、共同住宅、長屋の禁止(37㎡以上で4部屋以下のものを除く)、高さは9メートル以下など。この他にも隣地、道路からの後退距離、建物の外観や色彩に関する制限など様々な制限があります。
建築基準法をクリアしてもこれらの建築協定をクリアしなければ建築ができません。
アパート併用住宅を建築しようと土地を購入したが、断念せざるを得ないという事にもなります。
建築協定にはこの他、木造に限るなど構造に関するもの、住宅以外の用途の禁止などがあります。
二子玉川の住宅地には、建築協定ではありませんが、風致地区という都条例による建築制限があります。
それによれば、建蔽率が原則40%に制限されます。岡本の一部には20%の地域もあります。
また、外壁の後退距離も道路から2m、隣地から1.5mの制限があります。
ですから狭小の土地ではほとんど建築が難しくなります。
建築協定は地域住民全員の同意が原則ですが、一部の住民だけで結ばれた建築協定もあります。
正式な手続きを経て締結された建築協定は法的な拘束力がありますが、そうでないものは、法的拘束力はありません。
では、無視してよいかというと、そうではありません。
建築確認の許可は承認されても、建築が始まったとたん、地域住民の反対運動の狼煙が上がります。
そういう意味で、法的拘束力がない建築協定の存在は要注意です。
せっかく購入した土地に家が建てられない、と泣き寝入りしないためにも