「稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか?」という本を読んだことはありますか?
一世を風靡したこの法則、要するに「お金を大事にする人のところにお金が集まる」ということが言いたかったようなのですが、書店でこのタイトルを見かけた当時のぼくは「なるほど、長財布を使えばお金持ちになれるんだな」と短絡してさっそく長財布を購入するに至りました。この、中身を読まずにタイトルの言うことを聞くというのはぼくの悪い癖で、「かばんはハンカチの上に置きなさい」(著:川田修)と言われればハンカチを買い込み、「情報は一冊のノートにまとめなさい」(著:奥野宣之)と言われればノートを買ってくるという安直さ。こうやって小まめにお金を使っているおかげで、お金持ちになる気配は微塵もありません。
閑話休題。
さて長財布を買ったはいいものの、これが使ってみるとなかなか不便でした。ポケットには入りませんから必然的にカバンに入れたり手に持ったりするわけで、これが買い物中には邪魔になります。とはいえ、二つ折り財布はお札も小銭もと入れていくと、不恰好に膨れてしまうのがデメリット。ズボンのポケットがぽっこり膨れているのは、あまり美しいものではありません。必然的に、ぼくは薄い財布を捜し求めるようになっていきました。
と、そんなときに見つけたのがこの財布――その名も「薄い財布」。……これでも、れっきとした商品名です。
これは、どちらかといえばアイデア商品に類するかもしれません。
図をご覧いただければ分かるとおり、この財布は開くとこのような形になっています。①と②の部分がお札を押さえ、そこが中央カード入れの切り込み(③、④)に重なるようになっています。重なる皮の枚数が少なくなるため、結果として閉じたときに薄い状態が保てる…という仕組みなのです。
なんてスマート!
で、小銭はというと……こちらは⑤の位置に並んで収めるようになっています。999円を収納できるようになっているので、小まめに小銭を使えば理論上はこの程度の収納量でも足りるのです。
また、折りたたんだときには小銭入れ部分と札入れ部分は重ならないようになっています。そのため、普通の財布と比べると下図のように段違いの薄さを勝ち得ることができるのです。まさにアイデアの勝利!
実際の使い心地はどうかと言いますと……これがきわめて良好なのです!
何より、ポケットに入れたときの圧迫感がほぼなくなったのが嬉しい。手ぶらで出かける恍惚を、実に久しぶりに味わえました。
小銭もきれいに並べれば溢れることはまずありませんし、お会計時に取り出しやすいのも魅力。お会計の端数をきちんと払いきれて、小銭入れがすっきりしたときの気持ちよさは他の財布では味わえません。おかげで、小まめにお金を使うのがまた楽しくなりました!
……どっちにしろ、お金持ちになる気配は微塵もありません。