すし㐂邑(きむら)【寿司】 推薦者:三浦

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〔江戸前の技術〕という言葉では収まりきらぬ職人芸です。

すし㐂邑(きむら)をご紹介させていただきます。
場所は駅から少し離れた(徒歩6分)バス通り沿いのマンションの1階。
向いに読売新聞の販売所があるところです。実はこちらのお店、本当はご紹介したくなかった秘蔵中の秘蔵です。
生きていると、いろいろなご縁があります。
特に、地元で長年商いを続けておりますと。㐂邑さんには開店当初から通っていました。
というのも、たまたま店主さまが弊社のお客様であったから。
さらにこちらも偶然なのですが、このお店をデザインされたのも弊社のお客様で、笹森則次氏という著名な建築家の方でした。
笹森氏の代表作はあのジュリアナ東京です。

さて、本題に移りましょう。店構えは一元さんお断り……といった雰囲気ですが、味はというと、はっきり言って衝撃的な水準です。
世の中にこんなにうまい魚があるのか――と呆然とさせられました。実は、私の実家も寿司屋を営んでおりました。
ただし北海道の寿司屋というのは、新鮮な海鮮物が近海から豊富に獲れますので、素材をそのまま食べさせる……といった感じのお店がほとんどでした。
その点、㐂邑の寿司はいわゆる江戸前寿司です。魚に江戸前の仕事が施されております。
それが店主のたゆまぬ研究のため、日々進化しているのも驚きのひとつ。旨い魚をお客様に食べさせたい、という情念が魚に込められています。
例えば、新鮮な白身があったとしても、すぐにそれを出すことはしません。
熟成させてから、ようやく寿司のタネ(「ネタ」ではありません。「ネタ」というのは寿司屋の隠語です)として使うのです。
表面が酸化してきた部分を丁寧に取り、魚の皮下の脂が全体に行き渡るまでじっくりと待つ。
こうして店主の目で最高の状態であると見極められたとき、ようやくそのタネは握られるのです。
これは、店主自らが独自に考案した“仕事”です。もはやこれは“江戸前の技術”という言葉では収まりきらぬ職人芸です。
もともと、江戸前の技術は、東京湾で採れた魚を傷ませないため、醤油につけたり(いわゆるマグロのヅケ)、煮たり(煮蛤、煮穴子)、〆たり(しめ鯖、〆こはだ)したもの。
保管のための技術が、こちらの店主にかかると美食の妙技に変わってしまうのだから、舌を巻くほかありません。

予算は、おまかせで一人、夜食べようと思うと飲物抜きで15,000円ほど。手始めに酒のあてが5品ほど出て、その後、握りが15貫から17貫くらい。
正直言って、気楽に行けるお店ではありません。しかし、原価率7割を超える(普通、飲食店は4割が限界)という食材へのこだわりは、肩を並べるお店がありません。

席はカウンターのみで8席。店主・木村さんとお母さんの2人で切り盛りしておいでです。
カードは使えず、全席禁煙。月曜定休で営業は昼夜の2部制。
ただし、昼は「たまにやっている」くらいだと認識しておいた方がいいかもしれません。
ただしこちらのお店、ミシュランガイドで二星を獲得してしまったために、予約がなかなか取れなくなってしまいました。
ちなみに東京の寿司屋でミシュラン二星以上は、㐂邑を含めてもたったの10店舗しか存在しません。
いかにこの味が群を抜いているかを物語っていますね。
……こんなこと書くと、また予約取れなくなっちゃうなあ。

 

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すし㐂邑

■ジャンル 寿司
■住所   世田谷区玉川3-21-8
■TEL    050-5797-2051(予約専用) 03-3707-6355(お問い合わせ・予約変更)
■定休日  月曜日
■営業時間 夜の部 17:30~22:00  水・日 昼の部 12:00~14:00

 

 

 

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